
伸縮目地、かなり難しい命題です。
まず目地とは、物と物とが段差なしで引っ付く間に設ける空間と言って良いでしょうか。わかりやすいのはタイル目地、同一平面に貼ってありタイル一枚一枚が隙間(目地)を明けて張り付いています。
伸縮目地の伸縮とは、コンクリートの壁が固まる時、縮まることによりコンクリート面にひび割れ(クラック)が発生します。また夏、高温になると材料は膨張し、クラックが発生します。このクラックを決められた場所に発生させようとして、伸縮目地を設けます。(物体が固まる時必ず縮みます。縮まないのは水くらいでしょう。)
コンクリートの壁を2〜3mピッチに伸縮目地を入れていきます。伸縮目地の深さは20o前後。つまり目地を設けた場所の壁厚は20oほど薄くなります(断面欠損)。薄くなったところに、コンクリートが伸び縮しようとして出来るクラックが発生すれば計画通り。そこに雨水の浸入を防ぐ防水処置が出来れば完璧です。つまり計画してそこにクラックを発生させていますので、誘発目地とも言います。誘発目地の考え方は諸説ありますが、クラックを有効に発生させるには壁厚の20パーセントは欠損させる必要があると思います。
写真はその伸縮目地に防水処置をしたところです。中央縦目地にグレーでゴム状の物が付いています。この下でクラック(ひび割れ)が発生しても防水処理をしていますので、室内漏水はありません。
posted by 建築部:片山 at 21:38|
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